ビリー・アイリッシュ「歌詞の意味に間違いも正解もない。どんな解釈もあり得る、それがアートでしょ。」Billie Eilishインタビュー

<補足:脚を痛めているせいか、やや不機嫌なビリー・アイリッシュ。youtubeコメント欄ではインタビュアーの質問が下手すぎると叩かれ気味。>


インタビュアー:カイ・バン・デル・リー(以下:カ)

カ「So Socialの新エピソード、リリック限定版を見てくれてありがとう。アーティストを歌詞から探っていく番組です。今回のゲストはビリー・アイリッシュ。ビリー、調子はどう?」

ビリー「脛(すね)を痛めて、くず同然。」

カ「歩けない?」

ビ「あんまり。」

カ「簡単な質問から始めよう。初めて書いた歌詞は覚えてる?」

ビ「4、5歳かな、素っ裸だったような。」

カ「なんで素っ裸?」

ビ「素っ裸って超楽しいじゃん。テープレコーダー片手に“ブラックホールへどんどん落ちていく。今日君の魂は引きずり込まれる”ってくり返し歌ってた。」

カ「4歳のとき?」

ビ「そう、それが最初の曲。」

カ「重いね。」

ビ「でしょ。」

カ「視聴者のみんな、このセットはどうかな?ビリー、座り方おかしくない?」

ビ「(笑)」

カ「さて、今から言う歌詞の続きを言って。これは君の歌詞だよ。」

“Walking out of time. Looking for a better place.”
(時間がなくなっていく もっとマシな場所を探してる)

「パス!その歌詞はカス。

カ「なんで?」

ビ「バカバカしいじゃん」

カ「なんで?」

ビ「”Walking out of time”で”時間切れ”ってバカみたい。」

カ「深いかもよ。」

ビ「”時間切れ”は”Run out of time”でしょ?私の人生がとろいからRunじゃなくてWalkなの、アホくさ(笑)」

カ「脛を痛めてるから痛くて走れない?」

ビ「歩くのすらムリ。」

カ「続きの歌詞を言って。」

“Walking out of time. Looking for a better place.
(時間がなくなっていく もっとマシな場所を探してる

Something’s on my mind. Always in my head space.”
心にいつも引っかかってることがあるんだ)

カ「曲名は?」

ビ「”ラブリー”」

カ「ポジティブな感情が湧いてくる曲だね。」

「カリードのことは死ぬほど好きだよ、彼のためなら何でもしてあげるくらい。それに、この曲をお客さんがみんなで歌うのも感動的だし、”Isn’t it lovely”って合唱するのもキュンとする。だけどこの歌詞は…クソ。歌詞に意味はあるけど、申し訳ないのは…あ、やばい今すごくネガティブ(笑)」

カ「そんなことないよ。」

「私にとって意味があることでもそれを知られないようにしてるの。人それぞれの解釈があるのが好きだから。“bury a friend”って曲は、動画をアップしてコメント欄をチェックしたらみんなが“私はこういう意味だと思う”って話し合ってた。それが私の考えと全然違うこともあるけど納得することもあるし、そういうのが好きなんだよね。どれが間違いでも正解でもない。どんな解釈もあり得る、それがアートでしょ。感じ方は人それぞれ。”ラブリー”の歌詞にももちろん意味はあるけどー」

カ「でも、ない。」

ビ「そう(笑)」

(次の曲へ)

“Catch a wave and take in the sweetness”
(波に乗り その快感を受け入れるの

“Think about it, the darkness, the deepness “
考えてみて その闇や深淵

All the things that make me who I am”
そうしたすべてが私を作ってる)

ビ「”波に乗り その快感を…”なんだっけ?誰の曲か分かんない。」

カ「好き?嫌い?」

ビ「聴いたことないから分かんないよ。」

カ「答えを知りたい?」

ビ「どうぞ、言いなよ。」

カ「ラナ・デル・レイの曲でした。」

ビ「ラナか〜、その曲は知らなかった。ラナの新しい曲は知らないけど、ラナはすごくアイコニックだよね。私も彼女の曲を聴いて育ったようなものだし、分かんないと思うけど。アイドル的存在だった。その曲を知らない自分が悲しいね。」

カ「この歌詞を君に当てはめるなら、君を君にしているものは?」

ビ「何が私を作ってるか?全部。そうでしょ?今までのすべてがあって自分になってる。もし自分が持ってるクオリティーを持ってなかったとしたら、同じ自分にはなってない。それがあるから今の自分なわけでしょ(笑)」

カ「え?(笑)キャラ的な特徴でその人らしさが出てるとかじゃなくて?」

ビ「もちろん。じゃあ私は朝昼晩ブリトーを食べるから、それが私らしいってことで。」

カ「そのブリトーどこで買ったの?」

ビ「自分で持ってきた、ブリトー4つ。」

カ「誰かビリーにブリトー持ってきて。じゃあ次の曲。」

“Everybody knows you and I are suicide and stolen art.” by Billie Eilish
(みんなが知ってる、君と私の組み合わせは自滅(自殺)的で盗難芸術品みたい。)

ビ「あなたと私は一緒にいちゃだめ。一緒にいたって、自分たちにも周りの人にも良いことはないからってこと。」

カ「そういう経験が実際にあった?」

ビ「ないよ。みんなでスタジオに入ってたとき、私は精神的にやられちゃっててアホみたいに毎朝泣いてた。私にとっては曲を掘り下げて言いたいことを書くっていうのは結構大変なの。」

カ「良い歌詞が思いつくのはどんなとき?」

ビ「それは場合による。私はパッとは書き上げられない。考えてもだめなら最終的にはピアノの前に座って曲を書くけど、ピアノで曲を書きたいって人もいるでしょ。私はそうじゃなくて…家の上から飛び降りたい派(笑)

カ「それはやめてくれ。」

ビ「さっきの歌詞についてだけど、実際に“あんた自体が自滅(自殺)だね”って言うこともできる。これって私にとっては色んな意味があるし、どんな意味にもなり得る。それから、盗難芸術品ってのは…そもそもなんで芸術品を盗むわけ?」

カ「価値があるから?」

ビ「自分で描けよって感じ。」

カ「質問はこれで終わり、この紙投げ捨ててくれる?」

ビ「いいよ。」

カ「ありがとう。」

おわり