4人のプロデューサーが同じサンプルで1曲ずつ作ったら…|外国人のトラックメイク術

Youtube公開日: 2019年1月23日
再生回数:300万回以上

  

<以下はこのYoutube動画の音声を和訳したものです。>

  


  

司会のアンドリュー・フアン(音楽家、YouTuber)

  

どうもフアンです!

今回は4人のアーティストが1つの音素材をスタート地点として1曲ずつ作ります。

リミックスになるかもしれないし、
全く新しい何かが出来上がるかもしれません。

  

   

今回参加するのは、
サラ・ジ・イルストゥルメンタリスト(左)
バッド・スナックス(中央)
バーチャル・ライオット(右)

  

サンプルとして使うのは、僕の友人ナレ・ソルのYouTubeチャンネルにあるピアノのフレーズです。

 

ナレ・ソル(ピアニスト、YouTuber)

 

 

彼女は素晴らしいピアニストですが
動画内で弾いているのはナレの友人マリオで
ナレがそれをすべて分析・解読して
画面上に音を表記しています。

  

ナレの友人マリオ

  

そして使うフレーズがこちら。

  

(サンプル部分が流れる)

  

この動画にはマリオは登場しません。
カメラが好きじゃないみたいです。

  

マリオ「クソが。」


しかも、ナレいわくマリオを見つけ出すのは難しいんだとか。

  

  
さあ、どんなカッコいいアレンジになっているか聴いてみましょう!

  

  

1人目:サラ  

サラ・ジ・イルストゥルメンタリスト(以下:S)

 

どうもサラです。アンドリュー元気?
今回は誘ってくれてありがとう。

  

最初に、今回のビートの作り方を簡単に説明します。

まずはSerato Sampleでコードをチョップしました(切り刻みました)。

  

  

このEをFに上げて。

キレイな音だったのでチョップして、
コードで遊んでたらこうなりました。

  

(音が鳴る)

  

次にドラムのブレイクをいっぱい作りました。

  

(ドラム音が鳴る)

  

最初に思いついたブレイクが完璧にマッチしてました。

  

Native Instrumentsの良い所は、音をサンプルして、それを引き伸ばしてその曲のテンポに合わせられるところです。

 

こんな感じ。

 

ノリノリのサラ

  

ということで、私にとってはドラム部分は簡単。(笑)

  

あんまり時間がなかったので、これに効果音を少し足しただけです。私の”Lo-fi Spaceship Sounds Volume 1″から2つの効果音を使いました。ウェブサイトNoQuantize.comに載せてます。

  

チェックして、たったの3ドルだよ。

 

  

あと、J・ディラのサイレン音も足しました。

ブレイクダウンの最中に、親友マークの”damn!”という声も入れました。マーク、誕生日おめでとう♪

 

そして忘れちゃいけないのが SP404。このビートを生演奏して更にエフェクトをかけました。

 

こんな感じで24時間で作りました、じゃあね〜。

  

  

  

(サラのアレンジが流れる)

  

バッド・スナックス(以下:B)

  

フアン(以下:H)

   

バーチャル・ライオット(以下:V)

  

 

H「テープワーブル(音揺れ)が良いな。音量を上げよう。」

B「グルーヴが最高。」

V「ドラムが良い。」

H「低音が入るとまた全然違うね。」

B「ワーブルも上手いし、フィルタースイープが超楽しい感じ。」

V「ハハハ、フィルタースイープが。」

B「すごくサラっぽい。」

H「ちょっとしたエフェクトやフィルが面白い。」

V「ループを崩すあたりもヤバイ。一瞬にして昔のヒップホップの雰囲気に変わるのも良いね。」

H「スネアがめちゃくちゃパキッとしてて良い。」

B「生演奏で見ても超楽しそう。」

  

“Damn!”

 

B「ハハハ!オチが最高。(笑)」

H&V「ナイス!」

B「すごくカッコよかった。このドラムグルーヴなら一日中聴いてられる。」

  

   

  

2人目:バッド・スナックス

 

  

どうもバッド・スナックスです。

  

超ワクワク。こんなに楽しい企画は他にないですよね。

  

今回のサンプルはすごくキレイなピアノループだから、できるだけそれを中心にしつつ、トラックに動きを出して他の要素とも合うように工夫しました。

  

トラックの核はこんな感じで、サンプル後半部分をチョップして作りました。

 

  

ベースラインは一番低い音をチョップしてます。

ピッチモジュレーターを使って迫り来るような音にしました。

 

 

このエフェクトを全部かけて、圧縮と歪みもいっぱいかけて、モーグシンセを重ねることで厳つい感じにしました。

  

 

それから、サンプルのコード部分ではなく短音を使って、こんなドロップ(サビ)を作りました。

  

他にも全く同じサンプルをアルペジエーターにかけて、圧縮もたくさんかけて、Soundtoysのエコーボーイとリバーブとオートパンを使いました。

  

増強剤として8ビットサウンド(ゲーム風の音)も使いました。

  

こんな感じ。

 

(曲の一部を流す)

  

これが誰かが即興で弾いた12秒の曲を
サンプリングして出来てるなんて驚きでしょ。

  

「世界は君の思いどおり」って諺ありますよね。
まぁいいや、この辺で。

  

  

  

(バッドスナックのアレンジが流れる)

   

「イイね。」
「すでに良い感じ。」
「あ〜すごくキレイだね!」

  

H「頭の周りで音が泳いでるみたい。」

S「移り変りが良い。」

H「細かくチョップされたカッコいい音がいっぱい。」

V「このアレンジすごく良いな。自分のも含めて今回の中で一番好きかも。」

H「うなずくしかない。」

V「FlumeとFour Tetの赤ちゃんって感じでヤバい。」

S「毎日聴いても飽きない。」

H「すごく雰囲気があるね。歪んだ感じのベースと鐘みたいな高音の組み合わせがカッコイイ。」

S「ドープ。」

V「君の勝ちだ。」

  

  

  

  

3人目:バーチャル・ライオット

 

僕は元のサンプルを紹介する意味で
イントロの部分にそのまま使いました。

  

それからそれをSimplerに入れて
ピッチで変化をつけて
その後ろで同じサンプルをグラニュレーターにかけます。

  

キレイなコードが湧き上がる感じで背景を整えてました。

  

そこから切り替わります。

 

 

ドラム以外は全部、元のピアノサンプルから作ってます。

シェイカーのループも元のサンプルから作りました。

 

  

元のサンプルにはピアノの音しかなかったから
エフェクトをかける前はこんな音です。

 

(音が鳴る)

 

そこに、エロージョン、周波数シフト、
マルチバンド、 拡張、別のEQ、
オートパンをかけて本物っぽいシェイカーを作りました。

 

   

ピアノの音をこれでもかと加工して
すべての音を作りました。

 

例えば、このメインのベース音もピアノから作ったんです。

ピアノの低音の上にエフェクトを色々乗せただけ。

  

このベース音の加工も基本的に全部一緒で
ディストーションやフィルターや圧縮をいっぱいかけて
インプットシグナルから欲しい音をゲットします。

  

こんなちょっとしたフィルがあります。

  
(音が鳴る)

 

これもピアノの短音から作りました。

 

シューッとアガる効果が欲しかったので元のサンプルから取った部分を細かくループして それをどんどん速めることで音程を上げていきました。

 

  

中間には盛り上げ要素があって
これも元は同じサンプルだけど
周波数シフターを使って不気味な音を意識して
そこからアガる感じにしました。

  

ドラムは元のピアノ音を使って作ってません。
キックとスネアとシンバルと叩くような音を加えました。

  

メインのベース音もエフェクトでいじり倒してます。

  

 

すごく狭いバンド幅と
強めのレゾナンスのオートフィルターを使って、
それからビットクラッシャーに通すと
行ったり来たりする感じの音にります。

  

  

  

(聴く前に、)

 

「トランジェントがすごく強いから聴く前からビビってます。」

    

  

(バーチャル・ライオットのアレンジが流れる)

  

H「サンプルそのままで始まってる。」

S「加工が良い。」

B「ウッソ!!」

H「発想が凄いな。」

S「強烈。」

B「冗談でしょ。」

H「どうやってやってるんだろう。」

B「マジで…?ドンヨリした感じ。あ〜来る来る来る!

H「マジかよ。」

B「カッコいい。」

S「全く別の曲だね。」

B「スゴい、また戻るんだ。このチラチラした感じ好き。」

H「シンコペーションがカッコいいね。」

B「めっちゃカッコいい。」

S「色んな感情を一気に出してる。」

H「ブッ飛んでるね!」

S「1曲の中に4曲が集約されてるみたいで面白かった。」

B「他のアトラクションも全部混ぜたジェットコースターって感じ。」

  

  

  

  

4人目:アンドリュー・フアン

  

まずはいつも通り、
一番イメージしやすくて面白い部分をチョップします。

  

この低音は使えますね。
トラックを支える基盤になるし
曲の雰囲気も感じさせてくれる。

  

出だしはこんな感じのリフにしました。

  

   

変化をつけるために、この部分のエンド付近で
1コードを反転させてピッチを下げて
その上に別のレイヤーを重ねました。

 

  

ここからサンプルの2つ目の使い方を説明します。

 

この部分では、コードを何個か持ってきて
ピッチシフトで遊びながらコード進行を考えました。

  

コードがある素材のサンプリングはこれが楽しいですね。

 

そこにあるものを使って
思いもよらないコード進行が出来たりします。

  

でもそれだけじゃなくて、
ピッチをシフトして様子を見たり
別の音域や組み合わせを探ったりもします。

  

コード進行の探り方が楽器で弾くのと全然違うんです。

  

そして、できたのがコチラ。

  

  

実はこの部分にお気に入りの手法を使ってます。

  

押さえっぱなしの伸ばしたコード音があったら、必要な長さを半分に切って、その半分を反転させて後半部分に使うと波打つように次のコードに繋がります。

  

(音が鳴る) 

  

サンプルを使ったのはこれくらいです。

  

まず2つの異なる断片が思いついて
それを中心に楽器を足しました。

  

ドラムも足したし
ピアノと同じメロディーをギターで重ねました。

  

ビートを作成

  

ピアノと同じメロディーのギターを追加

  

ピアノに合わせてギターも同じように弾いたら
良い感じになるんじゃないかと思ったんです。

古いアップライトベースも引っ張り出してきました。

  

アップライトベース

  

トラック後半には、
うっとりする音を鳴らすMatrixBruteで
リードメロディーを入れました。

 

Arturia(アートリア)のアナログ・シンセ MatrixBrute

 

「愛してるよ〜。」

 

仕上げもかなり色々やりました。

エフェクトをかけたり ボーカルをチョップしたり
AbletonのOperator FMシンセを使って
上昇する音やレーザービーム音を作りました。

それから色々繋ぎ合わせたり、
“Yeah”って声も足しました。

  

以上、それではどうぞ。

  

   

(フアンのアレンジが流れる)

   

「楽しみ。」

 

ノリノリ

 

  

V「あれ?ちょっと待った。ギターを重ねたんだ!」

B「すごいカッコいい。」

S「ギターが好き。」

B「ギターのメロディーがキレイ。」

V「音の転位が上手い。」

B「この音をフレーズとして使ってるところが独創的。」

V「ジャズっぽい流れで上手くまとめてるのがスゴイ。あちこちで鳴ってるメロディーをまとめるのは難しいのに。」

S「バウンスしたくなるね、ギターがほんと良い。」

B「このビート部分すごく好き。どんどん展開していってる。」

V「今のフィル良いな。」

B「楽しいね。」

V&B「ドープ。」

S「エンディングが最高。」

  

  


  

ご視聴ありがとうございました。
シェア、チェンネル登録よろしく。
今回のトラックは全て無料ダウンロードできます。
概要欄(YouTube)に貼ってあります。
ナレも含め全員のリンクも貼ってあります。

  

多分今回のゲスト全員…
じゃなくても誰かしら各自のチェンネルで
もっと掘り下げた内容の動画をあげてくれると思います。

 

それでは良い一日を!