ビリー・アイリッシュ「馬は安らぎをくれる唯一の存在」Billie Eilishインタビュー

ビリー・アイリッシュ|Billie Eilish インタビュー
オランダの音楽フェス Lowlands 2019
にて
インタビュアー:エヴァ・コレマン

エヴァ「さぁ座りましょ。よく眠れた?」
ビリー「よく眠れた、だから元気。」


エ「ちょっと気色悪いかもしれないけど、あなたのことコッソリ見ちゃった。馬と触れ合ってたわね。」
ビ「うん、見てたの?(笑)馬が頭にキスしてくれて可愛かった。」


エ「それを見て思ったの、ツアー中って動物や自然と触れ合う機会ってないんじゃない?」
ビ「やることがいっぱいでね。馬と触れ合ってる時が唯一、安らぎを感じられる。私の人生ってそんなに穏やかじゃないから。楽しいし興奮することもあるけど、本当の意味で落ち着きや安らぎや喜びをもたらしてくれるものってほとんど無くて。自分でも気づいてなかったけど兄がこんな話をしたことがある。クリスマスイブに真実を語るカードゲームをしてて、そこで聞かれたの。安らぎをくれるものは?って。ホントに何も思いつかなかった、2年前の話ね。」


エ「悲しいわね。」
ビ「そうかも(笑)。私が座ったまま考え込んでたら、兄が『俺には分かるよ、馬だろ』って言った。そうだなと思って、できる限り馬と一緒にいようとした。そうすれば落ち着いていられて、喜びを感じられるから。」


エ「でもツアー中に馬に一緒にいてとは頼めないじゃない?一週間に一時間とか、馬タイムが欲しい?(笑)」
ビ「うん、それもいいけど馬に負担をかけたくないし、一緒に連れて回ることはしたくない。馬がそこにいれば触れ合いに行くけど、無理に連れてきたりはしないかな。馬は大好き、すごく美しい生き物だと思う。」


エ「乗馬もする?」
ビ「小さい頃は乗ってたけど、お金がないと乗馬はできないでしょ。私は経済的に無理だったから、馬の牧場で2年くらい働いてこともあった。やることが多くて大変だったけど働いたらレッスンをしてくれた。だけどしばらくして、他のことを探さなくちゃって思った。誰も私が馬に真剣だなんて思ってないし、お金がないから続けられなかったの。でも今になって思う、またやりたいなって。ただ馬のそばにいるだけでもいい。今はそう考えてる。大会レベルとかじゃなくて、ただ動物と一緒にいたい。」
エ「馬だって大会なんて出たくないしね。」
ビ「ほんと、出たくないと思う。」


エ「さっき言ってたけど…」


スタッフ(雨が降るみたいだから移動しましょう)


ビ「雨が降ってきたから移動しなきゃ」
(カメラ目線で)
エ「雨に殺される前に」
ビ「雨に殺られちゃうからね〜」


(屋根の下に移動)


エ「さっき、誰も自分が真剣だと思ってなかったと言ってたけど今は周りが真剣に受け止めてくれてると思う?」
ビ「そう、やっとね。面白いことに私の人生を振り返ってみると、例えば 11、12歳の時とか・・・(携帯が鳴る)すいません、携帯をオフに。当時、兄はバンドも俳優もやってた。兄は今も今までも一番の親友で、ツアーも作曲も一緒にやってるし私の音楽を作ってくれてる。繋がりは深いけど、当時の兄は私たち家族のスターだった。」


エ「あなたは“フィネアス兄さんの妹”として見られてたわけね。」
ビ「うん、金魚の糞みたいに兄のバンドのライブに付いて回ってた。兄のライブは最高だったし、良き友でもあるし楽しかったけど、なんとなく思ってたのは、なんていうか…あんまり…好きじゃなかったのかな。分からないけど…」
エ&ビ「注目されないことがね。」


ビ「兄はバンドをやっててライブもして、作曲もしてそれを演奏してるのに私はただ…何者でもない。別にいいんだけど、そう思ってたかな。今考えるとウケる。(笑)」


エ「今の人気に至るキッカケはあった?もちろんこれほどの人気は想像してなかったと思うけど、今の話がアーティストになる一つの要因になった?」
ビ「小さい頃は何者でもなかったってことが?(笑)」
エ「まあそういうこと(笑)」
ビ「それは関係ないかな。こんなに有名になりたいと思ってたわけじゃないし。ここまでの人気を得るには…なんでこうなったか分からない。以前にパネルかなんかで質問されたことがある。『正直、ここまで売れた要因は?運?運命?決意と努力?なんだと思う?』って。あとでよく考えてみたし、兄ともこの話をして思ったのは、始まりは運の力だってこと。見知らぬ人の注目を得られるのは運が味方してるから。でも、それを生かすも殺すも自分次第。『こんなのどうでもいいよ。音楽なんて作んないし、他人が好きなものなんて関係ない』って言うこともできるけど、それじゃ運を失っちゃう。だから運がすべてってことはないと思う。もちろん運も少しは必要だけど、それを生かさなきゃ意味がない。魔法なんてないの。だから私だって“Ocean Eyes”が話題にされたとき、別にどうでもいいやってSoundCloudやインスタを削除して人気を完全に避けることもできた。」


エ「たまたまスターになるわけじゃないもんね。」
ビ「たまたまスターになることも全然ある!たまたまスターになった人たちが『やっぱ無理〜』ってなることもあるし。だから運もあるけど、その直後の努力が必須だと思う。継続しないと。そしたらこうなってた。」
エ「今も努力し続けてるのね。」
ビ「うん、まあ大変なことだけど。今は人生の中で、ものすごく輝いてる場所にいる。幸せだなって思う。」


エ「ところで、恋してるって聞きいたわ。」


ビ「私が?」(顔を歪めて)


エ「小耳に挟んだの。」
ビ「恋してたけど…今はしてない。」


エ「そうなのね、私もしてないわ。」
ビ「自分に恋してる。ヤバい、『恋してるって聞いたわ』ってセリフがカワイイね(笑)。たしかに恋してたけど、今はしてない。(自分を指差して)今はこの子に夢中…って自分じゃんハハ〜。」


エ「みんながあなたに恋してると思うけどね。」
ビ「ハッハ〜(笑)」


おわり