つべこべ言わずシンプルにしろ:余計なものを取り除いたミニマルハウス/テクノを作る時の7つのコツ

By Computer Music
2020年3月3日

 

時として、「少ないほうが豊か」はその通りだ

 

ミニマリズムの達人、リッチー・ホゥティン(写真:Future)

  

その名の通り、余計なものをそぎ落としたミニマルでは、少ない要素でどれだけ多くのことができるかが勝負です。今回は、最小限の要素で確実に最大限のインパクトを与えるために覚えておくべき7つのことをご紹介します。

 


 

1.つべこべ言わずシンプルにしろ

  

当然のことを言うようですが、ミニマルサウンドで大事なのは…ミニマリズムです。大げさなアレンジや複雑なパターン、多くのレイヤーを重ねたミックスは存在しません。おおよそ、いかに少ない要素で構築できるかに懸かっています。最初はキック、ハイハット、一つのシンセ要素で始めてみましょう。このように限られた音の選択肢でも人の心を掴むグルーヴが作れれば、うまく進められている証拠です。

  

  

2. ベースとしてのドラム

 

ミニマルのベースラインはキックで加工されることが多く、周波数低域に個別のシンセ要素を入れるよりも、ミックスのボトムエンド(下端)に入るようにチューニングされたドラム音を使う傾向にあります。808の打音から始めるのも分かりやすいですが、他とは違ったピッチや調性のものを使っても良いでしょう。他のベース要素を足す上での厳しい規則はありませんが、ソリッドで旋律がきれいなキックは理想的な出発点です。

 

 

3. リズムに献身せよ

 

1994年にリリースされジャンルの確立に大きな影響を与えたロバート・フッドの傑作「Minimal Nation」以降、ミニマルはメロディーやハーモニーなどよりもリズムによって特徴づけされることが圧倒的に多いです。もちろんメロディー要素も重要ではありますが(とは言え、メロディー要素を避けて完全にドラムにフォーカスしたトラックも当然あります)、メロディー要素についての解釈を今一度考え直しましょう。ミニマルでは、ドラムと反復的なシンセのブリープ音(ブー、ピーのような発信音)の相互作用、そして音同士の間隔がキーポイントです。短い音を使うほうがずっと簡単に効果を出すことができます。

 

 

4. ひねりを加える

  

多くのミニマルプロデューサーは、トラックが進むに連れカギとなる要素の音にささやかでほぼ気づかない程度の調整を加えることから大きな恩恵を受けています。スタートとして、アンプ・エンベロープやフィルター設定、パーカッシブな要素を調整することをオススメします。ほとんどのドラムサンプラーのプラグインでこういったことが可能ですが、Xfer RecordsのNerveは特に素晴らしく、個別の音または複数のドラムトラックをまたいでパラメーターの調整を簡単かつ効果的に行うことができます。

 

(写真:Future) 

 

 

5. うまいアレンジの仕方

 

余計なものを取り除いた状態で目の前に残された素材を使うときは、従来の作曲形態にも増して、構造とアレンジにフォーカスすることになります。(ミニマルでは)ある曲の一部分から他の曲への移り変わりの際に目立つボーカルサンプルやシンセリフを入れることは到底考えにくいので、要素を追加したり減らしたり、エフェクトのパラメーターを微妙にいじる等が重要になってきます。怖がらずにステレオミックス全体にフィルターやリバーブを掛けてテンションとリリース(緊張と解放)の変化を強調した瞬間を作ってみましょう。

 

 

6. 実践的になる

 

パラメーターをいじると言えば、設定に対して有機的な調整をする際はオートメーションを使うより手を使うほうがずっと簡単です。何らかのハードウェアコントローラーがあればスタジオでの作業もはかどりますし、ライブにハードウェアは必須です。基本的なノブやフェーダーが付いたもので良いですが、NIのMaschineやAbleton Pushなどの極めてハイブリッドな機材を使うとライブの即興にグッと広がりが出ます。

 

 

7.ソフトウェア vs ハードウェア

 

ソフトとハードの融合に関して言えば、ミニマルサウンドを作るのに制約などはありません。例えばミニマルの達人、リッチー・ホゥティンはハードウェア時代に自身のキャリアをスタートしていますが、Ableton Liveが開発されたことなどを機会にソフトウェアにだんだんと移行しました。カルト的な人気を誇るリカルド・ヴィラロボスは、いかついモジュラーシンセのセットアップを使うなどかなりハードウェア寄りです。音のソースにどちらを選んでもいいですが、ソフトのほうがアレンジや加工を施しやすい傾向にあります。ハードを使いたい人は、音のサンプリングを考慮し、そのあとにレイヤーを重ねる、加工する、再度サンプリングするなどして、自分なりの構成や味のあるドラムの打音やシンセ要素を作ってみましょう。

 

 

元記事 MusicRadar(英語)
https://www.musicradar.com/how-to/keep-it-simple-stupid-7-stripped-back-minimal-house-and-techno-production-tips