新型コロナでエレクトロニック・ミュージックはどう変わる?Maceo Plex、Paul Van Dyk、Luttrell、Mikey Lion、DJマネージャーMax Leaderが語る。

「希望の光は、これを機にみんなが素晴らしい音楽を作ってくれるかもしれないということ。クラブ用にヒット曲を作らなきゃというプレッシャーがなくなると、大抵もっと面白いものが出来る」とMaceo Plex(メイシオ・プレックス)は話す。

 

2020年3月26日
By アナ・モンロイ・イグレシアス

  

Maceo Plex(写真:RUBEN SCHMITZ

 

新型コロナのパンデミックの収束が不確かな中で一つ確かなことは、これが何らかの形で皆に影響を与えるということだ。音楽業界で働く人にもすでに甚大な影響が及んでいる。

 

コーチェラやUltra、SXSW、グラストンベリー、Time Warpなど数多くの主要音楽イベントのみならず、ツアーやクラブイベントも中止や延期が相次ぐ中、アーティストやマネージャー、プロモーター、関係者は、今後数カ月以上の大幅な収入低下や無収入という危機に直面している。

 

今回は世界を巡る4人のDJとDJマネージャーに話を聞いた。

1. バルセロナのMaceo Plex(Ellum Audio)
2. LAのMikey Lion(Desert Hearts)
3. サンフランシスコのLuttrell(Anjunadeep)
4. ベルリンのPaul van Dyk(Vandit Records)
5. ロンドン/NY拠点のDJマネージャーMax Leader

 

 

このパンデミックで彼らの今年の予定は急激に狂ってしまったが、5人ともが希望の光を見ている。特に、ダンスミュージック界隈では一体感が感じられ、人類全体としての一体感もまた次第に増しているように思われる。

 

 

ショーは続けるかも?

 

長い間(90年代のレイヴ以降)アンダーグラウンドで伝説となっているMaceo Plex(メイシオ・プレックス)ことマイアミ出身のエリック・エストネルは、向こう数カ月、Ultra、Movement(5月から9月に延期)、Time Warpや大きなクラブイベントでヘッドライナーを務めることが決まっていた。同氏は、今後は皆がスケジュール調整や損失の埋め合わせに追われ大変な状況になるため音楽業界全体が新しい形に変わっていくだろうと強調した。

 

「DJだけでなくミュージシャンやバンド、音楽を聴いてもらうために人を集めるのが仕事の人たちは皆影響を受けてます。プロモーターもDJもクラブオーナーも同じ状況だしかなりのダメージをくらってるけど、皆がこのことに対処しないといけないので一体感が生まれてます」と、レーベル【Ellum Audio】の主宰Maceo Plexは先週、電話で話してくれた。

 

Max Leader(マックス・リーダー)はこの業界で長く、元はプロモーターであり、現在までの18年間は多くの大物DJのマネージャーとして活躍している。同氏は、すでに多くの日程や経費に損害が出ていることを強調し、2020年はイベントを計画実行する全ての人にとって能力を試される年になるだろうと話した。

 

「うちのアーティストや私にとってはライブが生活の糧です。クライアントは月に6~12公演行うし、私たちは事前に3~6カ月かけて準備します。でも先日2週間前に状況が変わり、ライブのキャンセルや予定変更が相次ぎました。その時点から1~3カ月の間にやるはずだったものが3カ月先延ばしになったんです」と先週、電話で説明してくれた同氏。「しかもその時から3~6カ月後までブッキングがあったプロモーターも、状況が把握できないからという理由でそれ以上ブッキングしなくなりました。すでに今後9カ月分のライブがナシになったわけです。9~12カ月スパンで見てみると、2週間にして12カ月先のツアー収入を突然失ってしまったことになります。」

 

プロモーターだけでなくクラブや関係者にとってはライブが2、3件キャンセルになるだけで経済的に大打撃だ。「こうしたプロモーターの中には、週毎あるいは月毎のプロモーターがいて、取引を順守しようと頑張ってます。私が仕事をしているアーティストたちのライブが1件なくなったとしたら、2万5千~3万ドルの損失になるんです。それが立て続けに2、3件起きたら廃業しかねません」と同氏。

 

Maceo Plex、Paul van Dyk、Max Leaderの場合は、長い成功のキャリアがあるため現状で経済的に困窮しているわけではない。もちろん、チームで共有する収入源がなく貯蓄が大幅に減るのはストレスだ。「進めていた分のキャンセルのせいですでに貯金を切り崩してます。私の商売の90%はライブなので、今は実質90%の取引を失っている状態です。しかもこれが一瞬にして起こったんです、一夜にしてです。」

 

Maceo Plexは新しく始めたM³のデビューライブを3月14日にLAで行う予定だったが、彼曰く「ほぼ全ての場所でイベントが中止になった最初の週末」となってしまった。イベントの2日前、カリフォルニア州は公衆衛生と安全のため250人(現在は更に少ない人数)を超える集まりを禁止した。

 

「僕自身も待ってました。僕はプロモーターではないけど、M³の宣伝もFactory 93と協力してやってたから、演出や設備や全てにすでにお金を払ってありました。だからリスケジュールは超重要です。Factory 93は希望者には返金してたと思います。どうやってやってたかは知らないけど、僕は自腹で多額を払わなくちゃいけないし、もう出来上がってたから“冗談じゃねぇ、配信でやろうぜ”ってことになりました。本来はホログラムを使ったりヤバいことを計画しようとしてたけど配信では全然そうは行かなかった。でも少なくとも、良い感じのライトは使えました。それくらいならサッとできます。」

 

 

Paul van Dyk(ポール・ヴァン・ダイク)やLuttrell(ラットレル)も、2020年の自身らのアルバムに関連した大きなツアーが決まっていた。ドイツ人のトランスレジェンドvan Dykの10枚目のアルバム『Guiding Light』は4月17日にリリース予定で、サンフランシスコのディープハウスの英雄Luttrellの新LP『Lucky Ones』は3月13日にリリースされた。彼らのツアーも当然のことながら世界情勢を考慮して延期となった。

 

また、Luttrellは4月にコーチェラ初登場の予定だったがフェス自体が10月に延期された。「今のところかなり影響を受けてます。4月2日にアルバムのツアーも始まるはずでした。全てが数カ月押しで7月末~8月に延期されたけど、少なくともほとんどのライブが(中止じゃなく)リスケジュールされたから良かった!」とEメールで明かすLuttrell。

 

Mikey LionとDesert Hearts(2012年にサンディエゴで共同設立されMikey Lionが率いる巨匠4人組のレーベル/パーティー)のクルーは、彼らの代名詞的な「72時間以上ぶっ続けハウス・テクノ」フェスを4月23〜26日に予定していたが見直し、幸運にもすぐに代わりの日程を見つけることができた。その他のフェスへの出演にも影響が出ており、2020年のLighting in a Bottleは中止、バルバドスで行われるVujadayは11月に延期となった。Desert Heartsは各地でのクラブイベントやブロックパーティーでも人気だが、今年はそれらの開催も保留にしなければならないだろう。

 

「フェスは2020年10月22〜26日に延期しました。幸運にも僕たちのフェスは良い具合に組み直せてると思います。代わりの日程もすぐ見つかったし、全体の状況を観察してたから今のところすごい額のデポジットもない」とMikey Lionは電話で話した。だが他の自主開催フェスやイベントが必ずしもそうではなく、この業界では広範囲に及ぶ悪影響が起こらなくもないと付け加えた。「今のところ他のフェスが直面している最大の問題といえば多分、Live NationやAEG等の大手の経済的バックアップがない自主開催のフェスの場合、チケット代で集まったお金を出演者や設備諸々のために確保してるという点です。デポジットが多額なわけです。そこに全く予期しない病気が発生して皆がキャンセルを余儀なくされて、突然ファンたちが返金を求め始めるけど、払い戻せるお金なんてフェス側にはない。もう決まったものに使われているから。ファンはお金を盗まれたような感覚だけどフェス側はどうしようもなくて、きりきり舞いになってるんです。」

 

無事にリスケジュールし当初の出演者の大半を確保できたイベントやフェスは肩を撫で下しているだろうが、もちろん一年分のイベントを全て秋冬にやるわけにはいかない。特に野外イベントなら寒い季節は難しい。しかも、より限られた枠内で出演できるのは誰かと考えればおそらく大物DJだろうし、ほとんどの場合で地元のオープニングアクトは削減されるだろう。総体的な出演料もまた然りだ。新型コロナによる危機が世界経済にどこまで影響を及ぼすのかを正確に予測することは難しいが、すでにそのダメージは現れており、時給労働者やライブ会場で働く人の仕事を奪っている。収入が減少すれば、外出やフェスのチケット代、旅行に費やす額も減るだろう。となればクラブやフェスに人を集めるのも難しくなる。

 

「リスケジュールしてるフェスもあるし、フェス側が同額を支払うのは無理だろう」とMaceo Plex。「DJの出演料も確実に概して下がってます。これはある種のトリクルダウン効果で、大物DJのチャージが安くなるから、それより下のDJは当然もっとチャージが安くなる。それからその街に住むレジデントDJは全くプレイしなくなるか、するとしてもすごく安くなるでしょうね。プロモーターが同額のエントランスを取れなくなるので。お客さんもお金がないですから。」

 

「イベントのリスケジュールに関して、僕の場合は自分がヘッドライナーだから他の人より先に決められます。でもプロモーター的に優先順位が2番、3番目のアーティストには申し訳ないです。すぐリスケジュールできないだろうから…リスケジュールできる立場の僕が文句は言えないんですが、今年はブッキングがいっぱいだったんでリスケジュールができないんです。」

 

また同氏は、フェスが今年の後期へ延期されることでクラブの最終的な収益が減るだろうと強調する。現在どこも激しい日程争いを繰り広げていることや、夜遊びに使うお金がないため来場者数が減ることが予想されるからだ。「多くのフェスが後期に日程を変更していて、クラブにとって稼ぎ時の週末がフェスに取られてしまう。経済的にはかなりヤバイ状況です」と説明する同氏。

  

DJマネージャーのMax Leaderも、今年のイベントの日程競争とDJ獲得、収益の減少について同じように指摘した。また、少なくとも数ヶ月後にはイベントが再開するとの予測については慎重に見ている。最近のプロモーターたちとの会話では、彼らが今年の秋冬の日程でブッキングを検討していると言うが、現時点でデポジットを払える者はいない。皆が何とか商売を回そうとしているのが現状だ。

 

「大物プロモーターたちが“10月最後の2週、11月最初の2週、大晦日あたりを狙って赤字を埋めるつもりだから、その日にこのDJが欲しい”と言ってきています。でももちろん今すぐにはデポジットを払えないので契約はできません」と同氏。

 

ライブ配信にシフトする組

 

Paul van Dykは、3月13日のモスクワでのライブが完売していたが行けなくなったため、ベルリンの客のいないクラブからロシアの超満員のライブハウスに向けライブ配信を行った。その経験からVan Dykは同クラブから毎週ライブ配信をすることを決めた。その名も『PC Music Night』。同氏と仲間のドイツ人DJ/プロデューサーのChris Bekker(クリス・ベッカー)は現在までに2本のライブ配信をし、世界中のトランス/プログレッシブ・ハウスファンを楽しませている。

 

「先週モスクワでDJするはずだったけど、新型コロナのせいでロシアはドイツから来る人を規制してたし隔離もしなくちゃならなかった」とPaul van Dyk。「自分のライブが中止になったらどうします?僕たちは最新のテクノロジーを使います。ベルリンの空っぽのクラブに行って全部をセットし、そこからモスクワに向けてライブ配信しようと思いついたんです。お客さんとのやり取りが難しいからもちろん現地でやるのとは違う。でも小さなモニターでモスクワのお客さんの様子を見られました。これが恐ろしい現状や今そこにある可能性に対応する1つの方法だったし、その配信経験からまたアイデアも浮かびました。」

 

Paul van DykMaceo Plexという豪華な2人が3月13日、14日にそれぞれ配信をしてから、多くのDJやアーティストがライブ配信に乗り出した。自分の音楽を世界とシェアし続け、ファンと繋がる方法を求めていたのだ。音楽のライブ配信は現時点でやや飽和状態にあると言って間違いないが、個々のアーティストやファンの関わり方の違いを見るのは楽しい。Maceo Plexは、隔離中にファンとの交流をすることに関して色々と創意工夫している。

 

「DJの配信が溢れかえってるから、新しくてもっと面白いことを考えてます。スタジオトークみたいにオタクっぽいけど、それでいて踊れるような音楽性のあるもの。普通の生活に戻るまでの数ヶ月間に何かやりたいと思います。」

 

先週話をしてから、Mikey Lion率いるDesert Heartsの4人は新たに毎日のライブ配信をスタートしていた。いかにも彼ららしいカラフルで遊び心溢れた雰囲気の配信だ。そればかりか、月曜日はMikey LionによるQ&A、火曜日はMikeyの弟/レーベル仲間のPorkyによる料理教室、水曜日はヨガ、そして4人のDJセットは日曜日と配信を通じた面白い試みをしている。

 

 

「こんな奇妙で面白い状況の中で皆と繋がっているために#DHtvをご紹介。米国太平洋標準時で毎日5:30に放送。一緒に楽しもう。」

 

 

そろそろ団結のとき!

「現実世界」での交流ができず困難を感じている私たちだが、インターネット上、特に音楽を通して繋がることは隔離の時期にはとりわけ大きな力となり得る。Paul van Dykは初回の『PC Music Night』配信中にこれを目の当たりにした。コメント欄でファンに曲のリクエストやシャウトアウトを募った時のことだ。

 

「Chris Bekkerと僕は、皆が自由に参加できる5時間のセットを無料でやりました。ただみんなに笑顔になって繋がって欲しくて。米国からイタリアにいる人へ、イタリアから南米へと、相互に連携してるみたいにすごくたくさんのやり取りがされていて、コミュニティー意識や、互いのためにそこにいるっていう感じでした。それこそまさに僕たちがこのDJセットでやろうとしてた本質です。」

 

ベルリンのレジェンドPaul van Dykは、離れ離れでも他者と連絡を取り合うことが大事だと強調した。世界的苦難の中にあって私たち皆が癒しとサポートを必要としている。「互いのためにそこにいる、そういう小さなことが大切です。ソーシャルディスタンスという言葉は僕はあまり好きじゃありません。身体的には離れていないとダメだけど、社会的にはむしろもっと近づいて支え合うべきだから。僕たちにはそれができるだし、こういう大変な時にこそ、そうするべきだと思います。」

 

新型コロナの影響を目の当たりにした同氏は、個々の違いはひとまず置いておいて、今回の件を真の思いやりや成長を実践するチャンスだと見ている。「今は皆が互いに繋がれる時だと思います。トランプ支援者だろうがバーニー・サンダース支持者だろうが、最後に残るのは僕たちは人間だということ。このウィルスで影響を受けない人などいません。互いに助け合わないと。それにはまず人間を第一に考えて、互いのためにそこにいることが大事なんです」と加える同氏。

  

 

Mikey Lionは、米国の民主党派と共和党派の間で意外で、かなり異常な団結が起きていることについて話す。両党は今回の危機を祝福すべきことでもあるとの見方を示そうとしている。この団結には、今後の私たちの生活をより良い方向に変える政策的含意もあるかもしれない。

  

「国民皆保険や最低所得保障(UBI)なんかはまさに今、あったら助かるとみんなが感じることだと思います。共和党派がそれを今こんな状況になって受け入れてる様子を見るのはヤバイですね。自分たちに影響がない限りその問題に真剣に取り組んで受け入れようとは思わなかったでしょう」とMikey Lionは言う。「今現在すごく苦しんでる人たちの救済をスタートできればと思ってます。」

 

「この危機から皆が他人の状況だったり、皆がこの中にいるってことをもっとよく理解するようになると思う」と加えた。「僕たちは世界中の人たちへの思いやりをこれからもっと感じ始めるんじゃないでしょうか。」

  

Luttrellもまた、今一番感じる希望とともに彼らのメッセージを繰り返す。「こういう大きな、特に世界に一気に影響を及ぼすような危機は、地球に生きる人間として僕たちが一つになって互いの距離を縮める良い機会だと思います。」

 

皆がリスケジュールやリオーガナイズ、そして困難を乗り切るのに必死な中、今回話した全員がエレクトロニック・ミュージックシーンやもっと大きな枠での音楽・イベント業界の一体感をすでに感じている。Mikey Lionは、中止になったイベントのデポジットの払い戻しや、収入はしばらくの間期待できないことを多くのアーティストが理解してきていると話した。結局はエンターテイメント業界の誰もが今のところおおよそ同じ状況にいるのだ。

   

「エージェントとアーティストが多くの場合でデポジットの払い戻しについては概ね了承してると思います。皆状況が一緒なのは分かってるので」とMikey Lion。「間違いなく皆が協力してます。とは言っても、アーティストからのお金や当面の予定は真っさらになりました。僕は収入もないし、他のDesert Heartsメンバーもそうです。しかもこれがいつまで続くか分かりません。」

 

「本当にゾッとします。アーティストだけじゃなくマネージャーやエージェント、カメラマン、警備員、バーテンダー、諸設備担当の人たち皆です。挙げればキリがないし、音楽業界だけじゃなくエンタメ業界全体が今ものすごく打ちのめされてます。ラスベガスなんて約70万人いてエンターテイメントが経済の柱です。今は街全体が停止してる状態だと思いますよ。」

 

Paul van Dykはこんな最中も、自分のチームの経済的安定を個人的に確かにすることを重視している。「そのためには自分の周りや助けが必要な人に社会的に注意を払って、行動する必要があります。このやり方に全力で取り組んでるので、僕のクルーはあまり心配しすぎてないと思います。」

 

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Here's a fantastic new video that we've made for you, I hope you enjoy it.⁣ ⁣ When I wrote this song and named this album, I never expected it would be released during a time like this. However, instead of dwelling on the obvious and unfortunate irony of it all, I'm trying to make a conscious decision to continue reminding myself just how fortunate I am.⁣ ⁣ I make music. I’m not putting myself in danger every day like the medical professionals and everyone still out there working to keep our society running – like the head of the CDC, or the people keeping grocery stores stocked and functional – but I do hope that what I have to offer can help bring joy to people feeling stressed, overwhelmed, scared or hopeless right now.⁣ ⁣ If you’re stuck inside like the rest of us, put this music video on and dance around in your apartment, or lay in your bed holding your phone watching it, whatever you feel like. If you have one, get your dog all riled up. Give them lots of belly rubs and laugh at them zooming around the house to the music. Imagine how happy dogs are right now? Their favorite people are home all day. They’ll never disappear for hours on end (which to them probably seems like days). Dogs are possibly the most stoked they’ve ever been in history. Sadly, I don’t have a dog cause my landlord doesn’t allow them, but thinking of all the dogs out there living their best life with their favorite humans that are stuck at home right now makes me really happy.

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<上の写真、Luttrellのインスタグラム投稿>

『Lucky Ones』のミュージックビデオです。素晴らしいのが出来たのでぜひ見てください。

この曲を書いてアルバム名を付けた時は、こんな時期のリリースになるなんて思ってもみませんでした。でもこんな明かに不運なことについてあれこれ悩むんじゃなくて、自分がいかに幸運かを感じる意識を持ち続けようと思います。

僕は音楽を作るのが仕事です。医療専門家や、CDCのトップやスーパーの店員さんのように今も社会を回すために毎日身を危険に晒して頑張ってくれている人の立場にはないけど、僕の音楽が今ストレスを感じている人や、圧倒されている人、恐怖や失望を感じてる人に喜びを届けられるものであってほしいと思います。

僕たちと同じように隔離中の人、この動画を再生して自分の部屋で踊り回ってもいいし、寝転がって携帯で見ても何でもいいです。犬を飼ってる人は、この音楽に合わせて犬を誘い出して、お腹をたくさん撫でたり家中を駆け回ってください。犬たちは今きっとハッピーなはずですよ、大好きな人が一日中家にいるから。数時間は遊び続けるはずです(犬的には数日かも)。犬たちは多分今までで一番興奮してると思います。残念ながら僕は家主の許可が出ないから犬は飼ってませんが、今あちこちで犬たちがお気に入りの人間たちと最高の時間を過ごしてるかと思うとすごく幸せな気持ちになります。

 

リリースはするべき?待つべき?

 

Paul van Dykが言うように、音楽はほとんどの人、特に制作者にとっては必要不可欠なものだ。音楽は私たち皆の日々の生活において大切な部分を担っている。今はまさに自分の気持ちから逃れたり、深く没頭するために音楽に頼る人が多いのではないだろうか。「僕はミュージシャンです。僕にとって音楽は人生に必要なものです。悲しいときは音楽を聴いてるし、嬉しい時も音楽を聴いてます。その中間でも音楽を聴いてます。音楽は僕の情熱なんです。だから音楽は絶対必要だし、皆にとってもそうじゃないかと思います」と同氏。

 

「今は皆、時間が有り余ってるはず」とMikey Lion。「ディグったり、自分のセンサーを働かせたり、皆がパソコンの前にいますよね。だから人に何かを提供したりポジティブな意味で影響を与えようとする良い機会だし、音楽なんてそれに最適です。」

 

「僕はミュージシャンです。僕にとって音楽は人生に不可欠なものです。悲しいときは音楽を聴き、嬉しい時も音楽を聴いてます。その中間でも音楽を聴いてます。音楽は僕の情熱なんです。」ー Paul van Dyk

 

気分の上がる曲やミュージックビデオを出すには今が絶好のタイミングかもしれないが、アルバムやクラブ録音のリリースについてはどうだろう。業界では多くのアーティストがファンに対し、お気に入りアーティストのアルバムや関連グッズをオンライン購入してサポートを促しているようだが、Amazonのような事業体や更にはアーティスト自身の中にも、今はプロジェクトをリリースするのは得策ではないと考える者もいる。そのリリースを後押しするツアーが行えなければ、プロジェクトへの金銭投資の価値が定かではないからだ。

 

特にエレクトロニック・ミュージックのアーティストは、大抵が未発表の曲を互いに世界中のDJセットで流し合ってサポート・宣伝しており、その大々的な宣伝とリリースサイクルが今回の危機でめちゃくちゃになってしまった。そして、もしそうしたDJのほとんどが現在自分たちのスタジオにこもっているとしたら、数ヶ月のうちにリリースが集中する中でどの曲やアルバムが群を抜いて注目を集めるだろうか?

 

Max Leader(DJマネージャー)は、彼の言うところの「売り込み」により結果として今年のライブや音楽視聴にこぎつけるだろうと話す。

 

「世界に向けたリリースについては事前のプラン立ては間違いなく可能です。皆、これが7月8月後はおさまると予想してます。私個人的には、10月前のライブについては一番楽観的なプロモーターのほかには会話していないし、本当にその会話のほとんどが“もう数週間様子を見てみよう”なので、あまり何も当てにしてないです。でも作品や音楽のリリースやSNS、ファンベースづくり、コンサル業務、ブランドとの仕事に関しては、今でもできる商売はあります。売り込みですね。」

 

「私が一つ考えてるのは、こういうDJは皆だいたい金土日にライブ、月曜は自宅、火曜にリカバリー、水曜に音楽制作、そして木曜にまたツアーの準備といった感じなので、実質音楽制作に長い時間を取れるようになったのは久しぶりで、そこから音楽の幅が広がってそれが発展途上のアーティストにも影響を与えることになるだろうということです」と同氏。「(彼らのリリースは)10月かなと思ってますが、4、5ヶ月分のツアーがなくなって(大物)プロデューサーがやっと新作をリリースしてきてるので、マーケットもすごく高まるんじゃないでしょうか。」

  

 

「数か月間のツアー停止やライブ中止で、アーティストたちは今までで一番サポートを必要としています。Tシャツや音楽の購入、配信サービスを通じて定期的に彼らの音楽を配信してくれたら、自分の好きなアーティストのお財布を直接的に助けることになります。」「資力がある方は、こんな時こそ自分の大好きなアーティストをサポートしていきましょう♥」

  

 

Maceo PlexとMikey Lionは、COVID-19のタイミングでのトラックリリースについても話す。

 

「誰も外に出られない時に踊れる曲やDJに使える曲を売ったりはしません」とMaceo Plex。「彼らは今はそんなに音楽を売ってません。リリースを計画してたアーティストは、リリース予定を延期するならずっと後までリリースはしないでしょうね。その音楽は古くなるので。」

 

「今は新曲を試すことは難しい。今はレーベルの宣伝システム全体が役に立たなくなってる気がします。曲を実際に試したりフィードバックを得る術がないので」とMikey Lion。「色んなアーティストが、Apple MusicやBeatportみたいな仲介を持つより、もっとずっとピアツーピアなBandcampに移行してますよ。僕もそっちに流れてて、今日自分たちのBandcampを整えました。」

 

 

「家で退屈だけどPolynomial-Cは最高のインスピレーションだね。きっと状況は良くなるよ。」

 

 

ダンスミュージックの創造性と今後

 

現在のリリースについてのアーティスト個々のスタンスに関わらず、彼らの多くが有り余る時間を使って何らかの形で音楽に取り組むことが予想される。

  

「僕の住むサンフランシスコはロックダウン中です」とLuttrell。「きっと今後数週間は自分のアパートから外に出られない。だからこれを機にファンとオンライン交流を深めて、アルバムの曲用の面白い宣伝方法を色々考えようと思います。今、次のアルバムに入れる新曲をいっぱい作ってるところで、時間もあるのですごくスペシャルな仕上がりになる予感がしてます。このロックダウン中にここサンフランシスコで次回のアルバム用の曲がたくさん出来そうです。今のこの奇妙な状態をある種のインスピレーションとして利用しようかなと。」

 

同じように、Paul van Dykもこれを機に新しい音楽が作れそうな予感がすると言う。「新しいアルバムを完成させました。世界中へツアーに出てお客さんの前でやる準備はできてたんです。だからちょっとタイミングがおかしくなったけど、僕はコンスタントに音楽を作ってるので、何にせよ時間があれば自分は音楽を作るだろうと確信してます。」

 

Max Leaderもこれを自身にとって創造面での挑戦であり強力なリセットとして見ている。「今は皆が同レベルの土俵にいると思います。皆が苦しんでるし、ある意味、新型コロナのせいで同じ状況下にいる。私はもともと楽観的な性格で、これは終息してビジネスも再開し、自分のビジネスに関しても固定観念にとらわれなくなるだろうと信じてます。皆さんもそうだと思いますが、今回の件は、時速100万マイル並みに忙しく働いていて、いつも一息つきたいと願ってたところに訪れた、その一息なんでしょう。」

 

Maceo Plexは若い息子を持つ父でもある。学校が休みになった子供の親なら自宅での仕事がどれほど難しいものか分かるだろう。とはいえ、Maceo Plexは次のクラブでのヒット曲を作るというどうにも避けられないDJとしてのプレッシャーからしばし解放され、それを利用して創造性を掘り下げようとしている。

 

「希望の光は、これを機にみんなが素晴らしい音楽を作ってくれるかもしれないということ。クラブ用にヒット曲を作らなきゃというプレッシャーがなくなると、大抵もっと面白いものが出来る」とMaceo Plex。「ここから新しい何かが生まれるかもしれないけど、大部分では皆を落ち込ませもします。物事の状況が悪い時にダンスミュージックを作っても誰も踊らないので。ク〇って感じです。インスピレーションを感じてもらえなくて、難しい状況ですね。」

 

Maceo Plexはこうも加える。「ヒットを作らなくちゃいけないプレッシャーも減りました。今はそんなの無意味だから。昔は自分が作る音楽に関してそういう心配をしてなかったので、有名になれたんです。ただカッコよくて創造的だったり、綺麗だったり他にない曲を作ろうとしていて、それが結果としてすごくヒットした。だから創造面で言えば、今そのプレッシャーが無いのは良いことです。これが終わったらヒットができてるかもしれないけど、そのことはむしろ考えないようにします。」

 

来月、Maceo Plexがヒットを出して世間を賑わせていてもいなくても、エレクトロニック・ミュージックは転換し続けているだろう。これほどまでに世の中が停止を余儀なくされる今、ダンスフロアでも物事が以前と全く同じままで存続することはあり得ない。同氏は70年代後半のディスコの揺り戻しと比較して見ている。それはゾッとする出来事であった一方で、シカゴやNYその他で盛んなハウスミュージックやアンダーグラウンドシーンの出現に直接的に繋がった。諺にもある通り「沈む瀬あれば浮かぶ瀬もあり」だ。

 

「クラブシーンにとっては、70年代後半、80年代前半にディスコの反動が生じて以来の最大の一撃じゃないかと思います。当時は皆がほんの一瞬、メディアによって引き起こされたディスコレコードやなんかに熱狂してました」とMaceo Plex。「それ以来、クラブは規模も質も向上して、ここ30、40年でダンスミュージックが前よりすごく人気になりました。これはある種のリセットだと思います。僕は業界が今回の状況に負けずに脱出すると期待してます。何にもダンスミュージックを聴いたり踊ったりする人たちを止めることはできない…きっと大丈夫ってことです。ここ最近のフェス規模まで戻るのには数年掛かるというだけの話です。10万人規模のフェスなんて今はまともじゃないですね。あまり気の毒だとは思わないけど、経済効果がすごい商業EDMにとってはアンダーグラウンド・ミュージックよりかなりの打撃になるでしょうね。」

 

「アンダーグラウンド・ダンスミュージックはある意味もっと大きくなると思う。ルネッサンス期の到来です」とMaceo Plex。「何れにしても、ダンスミュージック界隈はこのあと数年で出てくる新顔や新しいサウンドが巻き起こす激しい変化に直面しつつあります。」

 

 

元記事 GRAMMY AWARDS(英語)
https://www.grammy.com/grammys/news/how-will-coronavirus-shift-electronic-music-maceo-plex-paul-van-dyk-luttrell-mikey-lion