いま世界一話題の10代、ビリー・アイリッシュ|Billie Eilish |NMEインタビュー(2/2)

ビリーは現在、自らの立場を活用してファンの声を政界に届けようとしている。去年9月、地元ロサンゼルスの市長エリック・ガルセッティと組み、11月に行われるアメリカ合衆国の中間選挙を前に学生たちへ有権者登録を呼びかけることを決めた。イギリス同様、アメリカ合衆国の選挙権年齢は全土にわたり18歳であるが、いくつかの州では16歳で事前登録を行うこともできる。

 

ビリーや銃規制に関する活動家エマ・ゴンザレスなど、Z世代(90年代半ば~2000年代半ば生まれの10代、ビリーは2001年12月生まれ)のアイコンたちは、現代テクノロジーの知識を自ら習得し、政治意識を持ち、常識にとらわれず創造性をもって限界に挑んでいる。

 

「10代は、誰よりも自分たちが今生きてるこの国のことをよく分かってる」と、ビリーは言う。

 

「世界が終わろうとしてるのに、投票はもっと年がいってからじゃなきゃダメなんて法律、正直理解できない。年をとったらすぐ死ぬし、若者の私たちがその問題に取り組まなきゃいけなくなる。全然意味が分かんない決まりだよ」と、ビリー。

 

「でも若い人たちが平和的なデモに参加して、服従しない姿を見るのは良いよね。」

 

 

ビリーは頭の回転が速く、自分の周りで起きている会話に対して過剰なまでに感度が高い。しかし彼女のようにソーシャルメディアが人生の一部となっている現代では、荒らしや中傷や誤解は日常茶飯事だ。彼女はネットに書かれていることをよくチェックしているのだろうか?

 

「ネットに私についての記事があって、コメント欄には“ビリーが音楽業界にめちゃくちゃにされてる!業界に殺されかかってる!目が死んでる!前ほど笑ってない!”とか書かれてるんだけど、ちょっと待ってよ…」

 

ビリーはコメント欄での出来事すべてを把握しているが、もはや度を超えている。「前はコメントや自分がタグ付けされてる写真を一つ残らずチェックしてたし、DMにも全部返信してたけど、今はインスタグラムもほとんど見ない。手に負えないから」とビリー。

 

「どうでもいいじゃん、人が言うヒドイことなんて全然知りたいくない。“このアーティストの代わりにビリー・アイリッシュが死ねばよかった”なんてコメント見たくないし。携帯に気を取られて集中できないなんてムダ。だからツイッターも削除した。誰にも勝たせない、もし誰かが直接何か言ってきたら、ブッ潰してやる。」

 

「(普通の)学校に行ってたら、誰にも真剣に考えてもらえなかっただろうし」
-ビリー・アイリッシュ

 

悪質なメッセージの嵐は、現代のポップスターが晒される厳しい現実だが、すべてが悪いことではないとビリーは言う。「音楽業界はクソだけど、私はこうなってなかったら惨めだったと思う。ずっとこうなることを望んでたから。名声がどんなにヒドイものでアレもコレも最悪でも、色んなことがそれを価値あるものにしてくれるでしょ」

 

みんなはあなたが若い女性だからあなたのすることにコメントする権利があると感じていると思う?

  

「間違いない。これについては沢山の女性アーティストたちと話したけど、女性アーティストじゃなかったら多分こんなこと考えないと思う。もし男だったら、こんなダボっとした服を着てても誰も驚かない。“一度でいいから女の子らしい格好してみなよ!ピタッとした服を着たらもっとずっとキレイに見えるし仕事もうまく行くから”っていう人たちがいるけど、そんなことはないから。」

 

きっとみんな、あなたがまだ若いから上から目線なのかも…

 

「正直、年取ってから長いんだし年齢のことは別にいい。年をとったらあとは一生年寄りだし若さは戻ってこない。だからこそ若さを利用することもできる。“何を期待してたんだよ!私まだ16だっつーの!アホなことしてるかもしれないけど、まだ16なんだから当たり前だろ!”って。」

 

 

年の近いファンを持つことは、初めての経験を共有する機会を彼らに与えることを意味する。今回1時間のインタビューで、ビリーが唯一言葉に詰まった瞬間は、私が「これが誰かにとって最初のアルバムになるかも」と言ったときだった。誰かにとってこのアルバムが、夢中になって歌詞の一行一行に共感する初めての体験になるかもしれないのだ。もしかしたらCDを買いに走るかもしれない。

  

「そう考えるとヤバいね。フィネアス(兄)と作ってたけど完成は無理かもと思ったときもあった。今はリリースもライブもすごく楽しみ。」

  

本人と同じくらいファンもまたリリースを待ち望んでいることを、ビリーは証明した。へイターは常につきまとうが彼女はうまく対処している。

 

「みんなマジでヒドイこと言うよ。でもウケる、だって金を稼いでるのは誰?世界中でライブしてるのは?ただで靴をもらえてるのは?私だよ」と、答えを捜して辺りを見回し嘲るように言った。「別にうぬぼれてるわけじゃないけど、失せなクソ野郎って感じ。」

 

 

おわり

  

  

同インタビューPart 1↓

NME元記事(英語)
https://www.nme.com/big-read-billie-eilish-interview-nme-100-2019