Jojo Mayer (ジョジョ・メイヤー)インタビュー:観察することの重要性(2/3)

ジョジョ・メイヤー: 観察することの重要性 (パート2)
2014年3月31日

jojomayer56

(前回の続きです。音声インタビューを本ブログ主がかいつまんで訳したもので、一語一句ではありません。)


-観察や聴くことが君のアプローチの仕方だと話してくれたけど、例えば、素晴らしいドラマーを見に行きレコードをたくさん聴いたとして、どうやってそれを自分の演奏に転換させたら良いと思う?もちろんそれは自然な流れの中で進んで行くんだろうけど、それがよく分からない人はたくさんいるだろうから。

 難しい質問だな。もしA点からB点に行くためのテクニックがまだなかったとしても、俺なりのプロセスは…。というか、俺はドラムを叩くために生まれてきた。物心つく前からドラムセットがここにあった。そんな奴に、どうやって変換するんだなんて質問は…そんな事はしたこともないし、問題になった事もないし、考える必要もなかった。俺はドラムの前に座って自分の音を聴き、ただやり方を見つけ出そうとしていただけだ。

本当にたくさんの人が苦しんでいる。俺は苦しみについて考えた事はない。マラソンランナーみたいなものだ、走るのは苦しいけど仕方ない。それが本当に好きなものだ。ただ止められない。大変な事もあるだろうけど、良くなった時は全てを忘れられる。それも自然なことだ。子供を産むことだってきっと女性として一番痛みを伴うことだけど、産まれた後には忘れるだろう。同じことだ、生み出すことは痛みを伴う。だからこれについての手順的なアプローチのアドバイスを俺はできない。君はミュージシャンになる運命なのかそうじゃないのか、それだけだ。そしてそれを決めるのは君だけだ。こうしろああしろと言ってくる周りのアホ連中じゃない。君自身にかかっている。諦めたくなったら諦めるし、続けたいなら続ける。こういう事を言うのは少し勇気がいるけど。自然だって時に恐ろしい場所だろ?

-現在世に出てきているドラマーについては?音楽業界が以前とは変わってきているようだけど、それについてはどう思う?

 音楽業界は変わったんじゃない、20世紀で終わったんだ。その事実を受け入れるほかない。今の音楽業界は、俺たちが知っている以前の音楽業界のいわばトイザらスみたいなものだ。ある意味で過去の尊敬を掴もうとしている。君が言った変化はとっくの昔のことで、今はもう終わってしまったんだ。今音楽業界を動かしているメジャーな人達はショップを経営せずとも自分たちの持っているバックカタログで生き残れる。今のポップミュージックは主に12、13歳そこら向けだから、以前のような種類の金は回らない。どんどんとディズニーやピクサーのようになっているよ、Tシャツを作っておもちゃのロボット的なもので商売をしている。話の途中にすまないね、でもこれはハッキリさせておくべきことだと思って。

-いいんだ、同感だよ。じゃあ、もしかしたら今後なにか希望は生まれることがあるかな、

何に対しての希望?

 -何かが生まれる可能性とか、歴史は繰り返すだろ。だから、もしかしたらまた元に戻ったり…

いいかい、例えば君に20年連れ添った愛するペットがいたとして、ペットはいずれ死ぬんだ。一度死ねば生き返ることはない。もしペットが欲しいなら、新たに探さなければならない。今の音楽業界に残っている人々にはほんのわずかな知性しかない。その知性は以前俺たちの中に存在して、商業の枝を切り取っていたものだ。言ってみれば4年くらい前から、何にも分かっちゃいないヒップスターの若者たちが出てきた。金を生み出す意味では関係ないかもしれないが、俺が言いたいのはそれが今は俺たちが進んでく道になったってことだ。いい音楽の数は減っていない、ただし探さなければいけない。才能ある人々は止まらないが、それ以上にくだらないものが多い。

 ロックンロールは俺から見れば権力への襲撃だ。それ無しではロックンロールではない。国歌を歌おうがマッシュアップだろうが関係ない。表現の形であって、「おい見ろよ、これが俺のものの見方だ」ってことだ。今はそれをやる奴がいない、ポップミュージックでは。とてもじゃないけど、それをしたらおしまいだ(笑)。だからロックンロールは死んだ。今残っているロックは、40年前のファッションとかスタイルの模倣だよ。人々は安全や仕事を手にしていて、ロックスター気分になれてロックスターのように振る舞える体系ができている。みんながロックスターに興味を持つ。ヒップスターバンドを見たら分かるように、彼らは服の着こなしや動き方やしゃべり方は知っていても、曲の作り方やギターの弾き方はまともに知らない。でもそんなことは関係ない、特にここニューヨークでは。なぜなら彼らの役目は、パパが経営するエージェントをライブで宣伝することだから。そしてライブ会場は友達や家族で埋め尽くす。彼らはレコードやなんかを売る必要がない。それがロックンロールから見える景色になってしまった、少なくともニューヨークでは。だがジャズは違う、ジャズの世界は死ぬことを選んだ。俺はジャズが好きだ。ただ以前ほど面白い場ではなくなった。なぜならジャズは急進的な(現状を積極的に変えようとする)人々が演奏したり聴いたりする急進的な音楽だったから。でも今は、保守的な人々が演奏し保守的な人々が聴く音楽になった。1928~1968年頃のジャズとここ40年のジャズを比べれば明らかだろう。

音楽はなんていうか、起こるものだ。だから今はもっと大きな視野で見る時期だと思う。新たな枠組みが出来てきている。そして多くの人は理解していないけど中には理解している人もいるその状況をシフトする新たなパラダイムは、俺たちが生きている間に5回くらい切り替わるだろう。俺たちは未だかつて無いほど漸進的なメディア・テクノロジーの発展の時代に生きているから。未来はもう30年後ではなくて、3年後だ。3年後にはまた、急激に異なったものになる。

さて、君の質問に戻るけど、俺がこれから出てくる若いドラマーたちに勧めることだっけ?実際の音楽演奏以外で、それに表面的に関連している最も人気なアクティビティーはビデオゲームだろうね。ギターヒーローやロックスターになりたいとして、それと他のことのバランスを取ることだ。ロックスターになりたいなら、言いたいことは何だ。最近のロックスターたちは言いたいことなんて何も無い。彼らはしばらくは残っていられるだろうが、3年後には忘れ去られて居なくなる。もちろんミリオンやビリオンヒットを数枚出すことはできる、でもそれが自分のやりたいことなのか?それなら宝くじを買った方がいい。もしくはフランスのハイパーインフレみたいなのを待つか。可能だよ、実際にやった人もいるからね。でも俺は、音楽をプレイすることを楽しんで、音楽の中にあるマジックを発見することをお勧めする。それは信じられないような体験だよ。音楽をやる多くの人間がそれを体験できていない。彼らの頭は重要じゃない事で占領されているから。そうした(余計な)事が、まさにその体験、音楽の美しさや音楽が持つ創造性や共有を損なう原因になっている。音楽が必要な理由や音楽を愛す理由はたくさんあって、もしそうした理由を理解することができればシャーマンになれる。本当の意味で人に何かをしてあげられる、もちろん自分自身にも。

そして荷を背負うことを恐れるんじゃなくて、覚悟すること。なにも床で寝るとかボロいモーテルに泊まることを言っているんじゃなくて、常に外にいるから家族を持てないことや関係を維持できないことだ。この業界で金を稼ぐのは難しい。こんにち俺が稼いだ金の多くはパフォーマンスによるものだよ。もうレコードを買う人なんていなくなったから、今のところは。だから、自分は旅が好きか、何年それを続けられると思うかを考えること。俺は旅が大好きだから、俺にとってはぴったりだ。もしプロのミュージシャンになりたいなら、経済的な感覚を身につけなくちゃいけない。音楽業界では大金を稼ぐことができるのも事実だけど、生きるにはすごく金がかかる。ここでは名前は挙げないけど有名なドラマーだってそんなに稼いではいないよ、1年のうち10ヶ月ライブしてスタジアムでもやったって、ニューヨークのバーテンダーの給料より低い。

 これはすごく重要なことだけど、もしこの業界で金を稼ぎたいなら伴奏者ではそれほど金は稼げない。誰かと一緒の誰かじゃなく、自分が誰かにならなくちゃいけない。プロの伴奏者っていうのは、今はもう存在しない音楽業界の表現の一つであって、それゆえ時代遅れになってしまったんだ。(41:00)

パート3につづく↓

元記事 Drummer’s resource(英語)
http://www.drummersresource.com/jojo-mayer-interview/